空き家の管理頻度に全国一律の回数はありません。国の管理指針は、定期的な換気・通水・清掃・点検と、破損時の補修を管理方法として示しています。まず定例の訪問日を決め、台風・大雨・大雪・地震の後は予定を待たずに追加点検します。
国土交通省の令和6年空き家所有者実態調査では、管理者がいる空き家のうち「月に1〜数回」が34.0%で最も多く、月1回以上を合計すると約7割でした。これは法定回数ではなく実態値です。建物の劣化、立地、季節、保険条件、近隣への影響に応じて頻度を増減させましょう。
最初に決める管理ルール
- 01定例日を決める通える間隔を基準にし、放置期間を作らない予定にします。
- 02毎回同じ項目を見る外回り、室内、設備、庭、防犯、郵便物を同じ順路で確認します。
- 03同じ場所を撮影する日付、天候、異常、対応期限と一緒に残し、変化を比較します。
- 04災害後は追加確認屋根、外壁、雨漏り、倒木、越境、漏水を早めに確認します。
3分でわかる 空き家管理
定期巡回と写真報告で異常を早く見つける
遠くて管理に
行けない…
点検項目を
決めましょう
雨漏りと
侵入跡が!
写真報告なら
早く気づける
※内容や費用、税務・法的な取扱いは、物件の状態・地域・契約条件などにより異なります。
空き家管理の頻度はどう決める?月1回以上が約7割
法律や国の管理指針は「定期的」「一定の頻度」と示していますが、すべての空き家に共通する訪問回数は定めていません。月1回を出発点に検討し、次の条件があるときは間隔を短くする、または災害後に臨時点検する考え方が実務的です。
| タイミング | 確認すること | 頻度を増やす条件 |
|---|---|---|
| 定例訪問 | 換気、通水、施錠、郵便、雨漏り、清掃 | 築年数、傷み、湿気、雑草、侵入リスクが高い |
| 季節の変わり目 | 雨樋、給排水、庭木、害虫、凍結・積雪対策 | 寒冷地、多雪地、台風常襲地、落葉が多い |
| 大雨・強風・地震後 | 屋根材、外壁、窓、天井染み、倒木、擁壁 | 警報や被害情報、近隣からの連絡がある |
| 工事・売却前 | 残置物、境界、設備、臭い、写真、鍵 | 内覧、査定、修繕の予定が決まった |
訪問頻度だけでなく、異常を見つけた後に誰へ連絡し、いつまでに対応するかまで決めておくことが重要です。遠方で定例訪問を継続できない場合は、家族・近隣・管理サービスのいずれかに現地確認を依頼します。

空き家の管理チェックリスト|訪問時に見る7項目
| 場所 | 確認項目 | 異常があったとき |
|---|---|---|
| 1. 建物外周 | 傾き、外壁・軒・窓の破損、基礎のひび | 落下・飛散の恐れがあれば周囲の安全を確保し専門業者へ |
| 2. 屋根・雨樋 | 屋根材のずれ、雨樋の詰まり、天井の染み | 屋根へ上らず、地上や室内から確認して修繕相談 |
| 3. 室内 | 換気、カビ、臭い、床の沈み、侵入跡 | 発生場所と範囲を撮影し、原因調査を依頼 |
| 4. 給排水・設備 | 通水、漏水、排水臭、凍結、ブレーカー | 元栓・電源の扱いを確認し、漏水時は早急に連絡 |
| 5. 敷地・庭木 | 雑草、越境枝、倒木、害虫、ごみ、擁壁 | 近隣や道路へ影響する前に剪定・清掃・点検 |
| 6. 防犯 | 施錠、窓、門扉、照明、郵便物、不法投棄 | 侵入の形跡を残し、必要に応じて警察・管理者へ |
| 7. 周辺 | 境界、道路、隣家への影響、連絡メモ | 苦情や被害は日時・内容を記録して早めに対応 |

点検の記録方法|毎回同じ場所を写真で残す
「異常なし」でも記録を残すと、雨染み、ひび、傾き、庭木の伸びなどの変化を比較できます。家族や管理会社へ引き継ぐときや、修繕・保険・売却の相談時にも状況を説明しやすくなります。
- 基本情報:訪問日、天候、確認者、滞在時間
- 定点写真:四方向の外観、屋根、各室、天井、設備、庭、郵便受け
- 作業記録:換気、通水、清掃、草刈り、郵便回収、施錠
- 異常記録:場所、発見日、写真、応急対応、連絡先、対応期限
- 費用記録:交通費、委託費、修繕費、保険料、税金
季節・災害後に追加する点検
通常の巡回だけでは、天候による急な破損を見逃すことがあります。台風・大雨後は屋根材、雨樋、外壁、窓、天井の染み、倒木、擁壁を確認します。寒冷地では給水管の元栓や凍結、多雪地では積雪状況も確認してください。危険な屋根や傾いた部材へは自分で近づかず、専門業者へ依頼します。
保険契約は居住状況や建物状態で扱いが変わることがあります。補償内容と事故時の連絡方法は、空き家保険の選び方と契約先で確認しましょう。

自主管理と空き家管理サービスを比較する
| 比較点 | 自主管理 | 管理サービス |
|---|---|---|
| 定例確認 | 訪問日と点検項目を自分で管理 | 訪問回数・外部のみか室内も含むかを契約で確認 |
| 写真報告 | 同じ場所を自分で撮影・保管 | 写真枚数、報告形式、保管期間を確認 |
| 異常時 | 現地確認と業者手配を自分で行う | 緊急連絡、応急対応、修繕手配の範囲を確認 |
| 費用 | 交通・時間・道具・作業費を含める | 基本料金と草刈り・清掃・修繕など追加費用を分ける |
| 向く状況 | 近く、継続訪問でき、作業負担が小さい | 遠方、訪問困難、近隣対応や報告が必要 |
委託先を比べるときは、価格だけでなく鍵の管理、室内立入り、事故時の責任範囲、解約条件、修繕前の承認金額も確認します。詳しくは空き家管理サービスの選び方をご覧ください。
空き家管理にかかる費用を年額で整理
管理を続ける負担は、管理サービス料だけではありません。固定資産税、保険、交通費、草刈り・剪定、清掃、修繕、電気・水道の基本料金などを年額で並べます。自主管理も移動時間と交通費を含めて比較してください。
費用項目の整理は空き家の維持費用と対策、売却を含めた手取り比較は空き家売却にかかる費用と内訳で確認できます。
管理が難しいときは売却・活用も同じ表で比べる
訪問が続けられない、修繕が繰り返し必要、近隣への影響が出ている、年間負担を把握できない場合は、管理方法の見直しだけでなく売却・買取・活用も比較します。片付けや解体を先に決めず、現状のまま売却できるかと必要費用を確認してください。
- 今後1年間の管理予定と費用を具体的に置けるか
- 異常時に現地へ行ける人と連絡先が決まっているか
- 修繕後も保有する目的と期間が明確か
- 共有者・相続人と管理方針を合意できているか
- 現状査定と管理継続の累計負担を比較したか
査定先と確認項目は空き家の無料査定を頼む先と注意点、売れにくい原因は売れない空き家の原因と対処法で整理しています。
空き家管理でよくある質問
空き家は月に何回管理すればよいですか?
全国一律の法定回数はありません。国交省の令和6年調査では、管理者がいる空き家の約7割が月1回以上管理していました。月1回を出発点に、建物の傷み、気候、庭木、近隣への影響、保険条件を踏まえて増減し、災害後は臨時点検します。
訪問したら最初にどこを確認しますか?
屋外から屋根材・外壁・窓・庭木・ごみを見て、安全を確認してから室内へ入ります。室内では施錠、雨漏り、換気、通水、カビ、郵便物を同じ順路で確認します。
遠方で管理に通えない場合はどうしますか?
家族、近隣、管理サービスのいずれかに定例確認を依頼し、写真報告、鍵の保管、異常時の連絡先と修繕承認ルールを決めます。継続が難しければ売却・買取・活用も比較します。
通水や換気だけで管理できますか?
十分ではありません。屋根・外壁・窓、排水設備、庭木、施錠、郵便物、擁壁、周辺への影響も確認し、破損があれば補修や安全確保が必要です。
管理記録は売却時にも必要ですか?
必須書類とは限りませんが、定点写真と修繕履歴があると、建物の変化や実施した管理を説明しやすくなります。把握している不具合は隠さず相談先へ伝えてください。
管理負担と売却条件を同じ基準で比較
所在地、建物の状態、訪問できる頻度、年間費用、写真、名義、希望時期を分かる範囲で共有すると、管理継続と売却・買取のどちらを先に検討するか整理できます。
参考情報
※この記事は一般的な管理方法を整理したものです。必要な頻度や作業は、建物、地域、気候、契約、保険条件で異なります。危険な箇所の点検・修繕、法律・税務・保険の個別判断は自治体や専門家へ確認してください。










