結論:売却を前提とした空き家査定は原則無料
不動産会社が仲介・買取の検討のために行う机上査定・訪問査定・一括査定・買取査定は、通常は無料です。契約を見送る場合や現地確認・書類取得を依頼する場合も含め、どこまで無料かは申し込み前に確認してください。
一方、裁判や遺産分割などで客観的な評価書が必要なときに不動産鑑定士へ依頼する「鑑定評価」、境界確定測量、建物状況調査、登記手続きなどは、売却査定とは別に費用が発生することがあります。国土交通省も、不動産鑑定評価は国家資格者が行う専門業務として案内しています。
- 相場を先に知りたい:机上査定
- 売却を具体的に進めたい:訪問査定
- 複数社の方針を比較したい:一括査定
- 早さ・現状渡しを優先したい:買取査定
査定額は成約価格の保証ではありません。金額だけでなく、根拠・売却期間・残置物や相続手続きへの対応まで比較することが大切です。
3分でわかる 空き家査定
査定先は、売り方と家の状態で選ぶ
査定って、
どこに頼めば
いい?
売り方で、
査定先も
変わります
金額だけで
決めちゃ
ダメ?
私に合う
方法が
分かった!
※査定額は物件の状態・立地・権利関係・売却条件などにより異なります。
この記事では、空き家の無料査定をどこに頼むべきか、机上・訪問・一括・買取査定の違い、費用がかかるケース、査定額を見るときの注意点を順番に解説します。築古、残置物あり、遠方、相続した実家、再建築不可の可能性がある空き家で、相談前に何を確認すべきかも整理します。
空き家査定を頼む会社の選び方|5つの比較ポイント
空き家査定の依頼先は、提示額の高さだけで決めず、会社情報、査定根拠、空き家特有の条件への対応、手取り、連絡・契約条件を同じ項目で比べます。次の5点を確認すると、一括査定・仲介査定・買取査定のどれを選ぶ場合でも判断しやすくなります。
- 会社情報と免許を照合する:仲介や不動産取引を依頼する会社は、商号・所在地・免許番号を国土交通省の宅地建物取引業者検索で確認します。公表対象の処分歴は国土交通省ネガティブ情報等検索サイトでも確認できます。
- 査定額の根拠を聞く:近隣の取引事例、土地条件、建物状態、残置物、解体・修繕の見込みをどのように反映したか確認します。国土交通省の通達でも、宅地建物取引業者が媒介価額について意見を述べるときは、合理的な根拠を明らかにするよう示されています。
- 空き家特有の条件を先に伝える:築年不明、雨漏り、残置物、接道、再建築不可の可能性、相続未登記、共有名義、遠方管理のうち該当するものを伝え、対応範囲を確認します。
- 査定額ではなく手取りと期間を比べる:仲介手数料、片付け、測量、登記、修繕・解体、管理継続などの費用と、売却までの想定期間を分けて確認します。
- 連絡・契約条件を確認する:一括査定では情報が共有される会社数と連絡方法、仲介では媒介契約の種類・期間・報告方法、買取では引き渡し条件と追加費用の有無を確認します。
| 比較項目 | 確認する質問 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 会社情報 | 商号・所在地・免許番号は一致するか | 公的検索と提示情報を照合できる |
| 査定根拠 | どの取引事例と減額・加算要因を使ったか | 高い・安いだけでなく理由を説明できる |
| 対応範囲 | 残置物・相続・接道・建物不具合をどこまで扱うか | 対象外と追加確認事項が明確 |
| 手取り・期間 | 費用を引いた見込みと売却期間はどの程度か | 査定額、費用、期間を分けて比較できる |
| 連絡・契約 | 連絡方法、契約期間、解除・引き渡し条件は何か | 申し込み前に書面や画面で確認できる |
国土交通省の不動産情報ライブラリでは地域の取引価格や成約価格を調べられます。ただし、面積・形状・道路・建物状態などで価格は変わるため、掲載値を個別の査定額や売却保証としては扱わず、会社から示された根拠を確認するための参考にします。
高い査定額だけで決める前に
「この空き家は売れるのか」「片付け前でも相談できるのか」「遠方でも進められるのか」を伝え、査定額の根拠・必要費用・売却期間を同じ基準で確認してください。

空き家の査定先は大きく3種類
| 査定方法 | 向いているケース | 注意点 | 空き家で確認したいこと |
|---|---|---|---|
| 一括査定 | 複数社の反応や相場感を知りたい | 営業連絡が増えることがある。高い査定額が実際の成約価格とは限らない。 | 空き家、残置物、相続、再建築不可の可能性に対応できる会社か |
| 仲介査定 | 時間をかけて、できるだけ高く売りたい | 売れるまで管理が続く。内見対応や値下げが必要になることがある。 | 売却期間、管理費、修繕・解体の判断、買主がつきにくい条件 |
| 買取査定 | 早く手放したい、片付け前、遠方、老朽化で困っている | 仲介より価格は下がりやすいが、現状のまま相談しやすい場合がある。 | 残置物、雨漏り、傾き、共有名義、相続登記、引き渡し条件 |
無料査定と不動産鑑定評価は何が違う?
売却を検討する段階では、不動産会社の無料査定で相場や売却方法を比較するのが一般的です。一方、裁判や相続人間の協議などで第三者へ示す正式な評価書が必要な場合は、不動産鑑定士による鑑定評価が選択肢になります。
売却のための無料査定
- 目的:売却できそうな価格帯や売り方を検討する
- 担当:不動産会社
- 費用:通常は無料。書類取得や測量など別作業の費用は事前確認
- 確認点:仲介・買取のどちらを前提にした金額か、査定額の根拠
不動産鑑定士による鑑定評価
- 目的:専門家が調査・分析した価格を評価書で示す
- 担当:不動産鑑定士
- 費用:依頼内容に応じた報酬が発生する
- 確認点:提出先が求める書式・基準・評価時点を先に確認
国土交通省は、不動産鑑定評価基準などの法令・基準を公開しています。鑑定評価が必要か迷う場合は、評価書の提出先や弁護士・税理士などの専門家へ確認してください。
空き家査定で見られる6つのポイント

空き家の査定では、建物の価値だけを見ているわけではありません。たとえば、建物は古くても土地条件が良ければ売却しやすい場合があります。一方で、接道条件や再建築不可の可能性、境界未確定、残置物の量、相続人が複数いる状態は、価格や売却期間に影響します。
こんな空き家は買取相談も検討しよう
- 何年も放置していて、建物の状態が分からない
- 家具・家電・仏壇などの残置物が多い
- 雨漏り、傾き、白蟻、外壁の傷みがある
- 遠方にあり、現地の管理や内見対応が難しい
- 相続人が複数いて、まず売却可否を確認したい
- 再建築不可の可能性がある
- 固定資産税や管理負担を早く終わらせたい
- 一括査定や仲介で断られた、または反応が悪かった
これらに当てはまる場合でも、必ず売れないとは限りません。ただし、一般的な査定では評価しづらい要素が多いため、空き家の状態を前提に相談できる窓口で確認する方が、現実的な選択肢を把握しやすくなります。
査定前に用意するとよい情報
すべて揃っていなくても相談はできますが、次の情報があると査定や売却可否の確認がスムーズです。
- 物件の住所
- 建物の築年数
- 土地・建物の面積
- 名義人と相続登記の状況
- 固定資産税納税通知書
- 残置物の量が分かる写真
- 雨漏り、傾き、白蟻などの不具合
- いつまでに手放したいか
無料査定を申し込む前後の確認メモ
無料査定を申し込むときは、金額だけでなく、連絡方法、無料の範囲、査定の前提、次の手続きを分けて確認します。会社や物件によって対応範囲は異なるため、申込画面やメールなど後から確認できる形で残しておくと比較しやすくなります。
- 申し込み前:入力情報がどの会社へ共有されるか、希望する連絡方法・時間帯を指定できるかを確認します。
- 現地確認の前:訪問、書類取得、測量、残置物確認などに費用が発生する場合があるか、無料査定に含まれる範囲を確認します。
- 査定結果を受け取った後:査定額の前提、差し引かれる費用、想定期間、仲介と買取のどちらを前提にした金額かを同じ項目で比べます。
- 次へ進む前:査定結果を確認した後に、仲介・買取・保留のどれにするかを別に決め、契約条件や引き渡し条件を書面で確認します。
宅地建物取引業者が媒介価額について意見を述べる場合の根拠については、国土交通省の通達も確認できます。個別の費用や対応範囲は、依頼先へ事前に確認してください。
相続した空き家は登記と税金も確認する
相続した空き家を売却する場合、査定額だけでなく、名義や税金の確認も重要です。法務省は、令和6年4月1日から相続登記の申請が義務化されたことを案内しています。売却を進めるには名義関係の整理が必要になるため、相続人が複数いる場合は早めに状況を確認しましょう。
また、相続した空き家を売る場合、一定の要件を満たすと国税庁が案内する「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除」の対象になることがあります。適用には期限や建物の条件などがあるため、税金面は税理士や税務署などの専門窓口にも確認してください。
空き家査定から売却相談までの流れ
- 物件情報を送る
住所、物件種別、分かる範囲の状態を送ります。 - 売却可否と査定方針を確認する
仲介向きか、買取相談向きか、追加確認が必要かを整理します。 - 必要に応じて現地確認を行う
建物状態、残置物、接道、周辺環境などを確認します。 - 売却方法を検討する
買取、仲介、解体、活用など、物件に合う選択肢を検討します。 - 条件が合えば手続きへ進む
名義や相続状況を確認しながら、売却に向けて進めます。
よくある質問
古い空き家でも査定できますか?
築年数が古い空き家でも相談できます。建物としての価値だけでなく、土地条件、接道、残置物、解体費などを含めて確認します。
荷物が残っていても相談できますか?
荷物が残っている状態でも相談可能です。残置物の量によって片付け費用や買取条件が変わることがあるため、写真や状況が分かる情報があると確認しやすくなります。
相続登記が終わっていなくても査定できますか?
査定や売却可否の相談は可能です。ただし、実際に売却手続きを進める際には名義や相続人の確認が必要になります。相続登記は令和6年4月から義務化されているため、早めに状況を確認しておきましょう。
再建築不可でも相談できますか?
再建築不可の可能性がある空き家でも、まずは相談できます。接道状況や地域の条件によって扱いが変わるため、住所や資料をもとに確認します。
一括査定で断られた後でも相談できますか?
相談できます。一括査定で反応が悪かった場合でも、空き家の状態や土地条件によって別の選択肢が見つかることがあります。
地方の空き家でも対応できますか?
アキオクは全国の空き家相談に対応しています。遠方に住んでいる場合は、物件の住所・名義・築年数・残置物や不具合が分かる写真・手放したい時期を先に伝えると、確認を始めやすくなります。現地確認が必要なときの立ち会いの要否、鍵の受け渡し方法、連絡方法、別途費用の有無は物件や依頼先によって異なるため、訪問日を決める前に確認してください。
実際の買取事例で見る査定条件
空き家の査定は、面積や築年数だけでは決まりません。接道、登記、残置物、給排水、再建築の可否などを含めて個別に判断されます。以下はアキオクが公開している買取実績の一例です。
事例を見るときの注意:上記は個別案件の買取結果であり、同じ地域・面積・状態でも価格を保証するものではありません。正確な売却可否と条件は、物件資料と現況を確認したうえで判断します。
築年不明や未登記、市街化調整区域などの条件があっても相談できる場合があります。一括査定で比較しにくい物件は、難しい条件を最初から伝え、現状のまま相談できるかを確認してください。
まとめ:空き家査定は「高い金額」より「現実的に手放せるか」で考える
空き家査定では、金額だけでなく、売却まで進められるか、管理負担を終えられるか、残置物や相続の問題を含めて相談できるかが重要です。一括査定で相場感を見るのは有効ですが、古い家、荷物が残った家、遠方の家、相続した実家は、空き家の事情を前提にした相談もあわせて検討しましょう。

参考情報
- 国土交通省「宅地建物取引業者検索」
- 国土交通省「ネガティブ情報等検索サイト」
- 国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(媒介価額の根拠)」
- 国土交通省「不動産情報ライブラリ」
- 法務省「不動産を相続した方へ」
- 国税庁「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
- 国土交通省「不動産鑑定評価ポータルサイト」
状況が近い人はこちらも確認
不動産売却は、査定額だけでなく名義、税金、管理費、残置物、売却期間で判断が変わります。次の記事もあわせて確認すると、相談前に必要な情報を整理しやすくなります。









