空き家相続の税金|相続・保有・売却の確認と3,000万円控除

空き家相続の税金

空き家を相続したときは、相続時の相続税、保有中の固定資産税、売却時の譲渡所得を分けて確認します。空き家を受け継いだだけで、必ず相続税がかかるわけではありません。

最初に相続財産全体と名義を確認し、次に保有コストと売却予定を整理します。売却する可能性がある場合は、取得費の資料と「空き家の3,000万円特別控除」の要件を、片付け・賃貸・解体・契約の前に確認してください。

先に結論

  • 相続時:正味の遺産額が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超えるか確認する
  • 保有中:固定資産税、管理、保険、修繕の継続負担を把握する
  • 売却時:取得費、譲渡費用、特例要件を売買契約前に確認する

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空き家相続の税金は3段階で確認する

※スマートフォンでは表を横にスクロールして確認できます。

時点 主な税・費用 先に確認する資料
相続時 相続税、相続登記に伴う費用 遺言・遺産分割資料、相続財産一覧、戸籍、評価資料
保有中 固定資産税、管理、保険、修繕 固定資産税納税通知書、管理記録、修繕履歴
売却時 譲渡所得に対する税、仲介・測量・解体などの費用 被相続人の購入契約書・領収書、売買契約書、費用明細

3分でわかる 相続税務

相続した空き家は、期限と特例を売却前に確認する

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※内容や費用、税務・法的な取扱いは、物件の状態・地域・契約条件などにより異なります。

1.相続時|相続税の基礎控除と10か月の期限

相続税は、空き家だけでなく、預貯金や有価証券などを含む正味の遺産額全体で判定します。正味の遺産額が基礎控除額を超えない場合、相続税はかかりません。

基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。課税対象となる場合、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内に申告・納税するのが原則です。配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例は、納税額が生じなくても申告が必要な場合があるため、遺産分割を含めて税務署または税理士へ確認します。

相続税の確認と、売却に必要な相続登記は別の手続きです。名義や相続人が未整理なら、空き家の相続手続きと相続登記の流れもあわせて確認してください。

相続空き家の取得費資料・特例・共有名義・売却期限を家族と専門家が確認する図解

2.保有中|固定資産税と管理費を年単位で把握する

相続した空き家をすぐに売らない場合も、固定資産税のほか、火災保険、草木の手入れ、換気、修繕、家財整理、遠方からの交通費などが続きます。売却価格だけでなく、保有を続ける期間と累計負担を並べて判断します。

  • 固定資産税納税通知書で、土地・建物の所在地、地番、家屋番号、評価額を確認する
  • 雨漏り、破損、雑草、害虫、近隣対応など、管理が必要な箇所を写真で残す
  • 家財整理、修繕、解体は先に発注せず、現状のまま売る場合との手取りを比較する
  • 共有名義の場合は、税・管理費の負担者と売却方針を記録する

建物を解体した場合の固定資産税や土地利用への影響は、時期や物件条件で異なります。解体前に自治体と売却先へ確認してください。

3.売却時|譲渡所得は取得費の資料で大きく変わる

土地・建物の譲渡所得は、基本的に「売却代金-(取得費+譲渡費用)-利用できる特別控除」で計算します。相続した不動産では、被相続人が購入したときの代金や手数料を基に取得費を計算し、取得時期も引き継ぎます。

取得費が分からない場合は、売却代金の5%相当額を取得費とする方法があります。ただし取得費が小さくなり、譲渡所得が大きくなることがあるため、購入時の売買契約書、領収書、通帳、借入資料、増改築資料を家族の保管書類まで探してから判断します。

区分 確認する資料の例 注意点
取得費 購入契約書、仲介手数料、登記費用、増改築の領収書 建物分は所有期間中の減価償却相当額を考慮する
譲渡費用 売却時の仲介手数料、測量、売却のための解体費など 何でも経費になるわけではないため個別確認する
所有期間 被相続人の購入日が分かる契約書・登記資料 相続日ではなく、被相続人の取得時期を引き継ぐ

空き家の3,000万円特別控除|売る前に確認する主な要件

被相続人が住んでいた一定の空き家を売った場合、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。2024年1月1日以後の譲渡で相続人が3人以上の場合は、1人あたり最高2,000万円です。制度の適用期限は2027年12月31日ですが、次の要件をすべて満たすとは限りません。

  • 原則として1981年5月31日以前に建築された家屋で、区分所有建物ではない
  • 相続開始の直前に被相続人以外の居住者がいなかった
  • 相続後から売却まで、事業・賃貸・居住に使っていない
  • 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る
  • 売却代金の合計が1億円以下である
  • 耐震基準を満たす家屋として売る、または一定の期限までに耐震改修・取壊しを行うなど、売り方ごとの要件を満たす

適用には確定申告と添付書類が必要です。物件所在地の市区町村が交付する「被相続人居住用家屋等確認書」も必要になるため、契約前に所在地の自治体と税務署へ確認してください。

空き家相続の税金を相続時・保有中・売却時に分けて確認する判断図

売却相談・税務相談の前に集める7つの資料

  1. 01固定資産税納税通知書所在地、地番、家屋番号、評価額を確認します。
  2. 02登記事項証明書現在の名義、共有者、抵当権などを確認します。
  3. 03遺言・遺産分割の資料誰が土地と建物を取得したかを確認します。
  4. 04被相続人の購入資料売買契約書、領収書、通帳、借入資料を探します。
  5. 05増改築・修繕の記録工事契約書や領収書を時系列で整理します。
  6. 06空き家の利用・管理履歴居住、賃貸、事業利用、解体、家財整理の時期を記録します。
  7. 07現況写真と売却希望時期建物状態、残置物、接道、希望時期を相談先へ共有します。

資料がすべてそろっていなくても査定相談はできます。売却価格だけでなく、取得費、特例、片付け・解体費を含めた手取りで比較してください。査定先の選び方は空き家査定はどこに頼むか、売却費用は空き家売却にかかる費用と内訳で整理しています。

空き家相続と税金のよくある質問

空き家を相続すると必ず相続税がかかりますか?

必ずではありません。空き家だけでなく預貯金などを含む正味の遺産額全体が、基礎控除額を超えるかで判定します。特例の適用や申告要否は個別に確認してください。

取得費の契約書が見つからないときはどうしますか?

売却代金の5%相当額を取得費とする方法がありますが、税負担が大きくなる場合があります。通帳、借入資料、仲介会社・施工会社の記録、家族の保管書類まで探してから税務署または税理士へ相談します。

東京都内の相続空き家だけ税金の条件が違いますか?

相続税や所得税の基本的な制度は全国共通です。ただし、3,000万円特別控除で使う確認書は物件所在地の市区町村が交付します。東京都内でも所在地の区市町村と所轄税務署へ必要書類を確認してください。

相続登記前でも空き家の査定を頼めますか?

査定相談はできます。ただし売却手続きには名義と相続関係の整理が必要です。相続人が複数いる場合は、売却方針と費用負担も早めに共有します。

相続放棄を考えている空き家でも片付けてよいですか?

財産の処分と評価される行為は相続放棄に影響する可能性があります。自己判断で売却や家財処分を進めず、先に家庭裁判所や弁護士などへ確認してください。詳しくは空き家の相続放棄と管理上の注意点をご覧ください。

税金の確認前でも、現状の売却可否は整理できます

名義、固定資産税通知書、建物状態、残置物、希望時期を分かる範囲で共有すると、現状売却・片付け・解体のどれを比較すべきか整理できます。

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参考情報

※この記事は一般的な確認順を整理したもので、個別の税額・申告・法的判断を示すものではありません。最新の制度と個別要件は、税務署、税理士、司法書士、弁護士などへ確認してください。